
こんにちわ、モカです。
今日は、事実に基づいて描かれた戦争映画「Hacksaw ridge」(ハクソー・リッジ)を御紹介します。
カナダで偶然テレビで見て、すっかり見入ってしまった傑作映画。
「すごい映画に出会った!」と思ったら、監督はあのメル・ギブソン。
魂揺さぶられる映画なわけです。
映画のあらすじとアメリカ軍から見た沖縄戦
第二次世界大戦のアメリカ軍と日本軍の戦い。
舞台は沖縄・浦添市の「前田高地」にある険しい崖。
映画のタイトル「ハクソー・リッジ」とは、アメリカ軍がこの崖につけた名前です。
その崖は断崖絶壁で「のこぎり」のようにそびえ、高さ150メートルもあるのですが、アメリカ陸軍はその崖をなんとロープを使って上に登って行きます。
米国軍はここを占拠する為、果敢に猛攻撃を仕掛けます。
しかし、崖の上の日本軍は前田守陣地を何としても死守したい。でないと、日本全土が占領されてします。
日本軍は地の利を巧みに使い、洞窟を掘りトンネルを作り、四方八方からの猛攻撃で抗戦し、物量・爆撃量、共に圧倒的に勝る米軍と死闘を繰り広げます。
米空軍は陸からだけでなく、空からの空爆も開始し、南東の方面からは戦車と装甲車を使い猛烈に日本に攻めたてる。
両軍均衡の地獄の戦局。
米軍、日本軍、両軍捨て身の血なまぐさい肉弾戦。
そんな戦局でアメリカ兵士に戦う勇気を与えた男がいました。
それは絶対に「人を殺さない」と決めた米軍の衛生一等兵デズモンド・ドス。
アメリカ軍目線で描かれている為、負傷して置き去りにされているアメリカ兵には心が痛みます。
(撤退命令が出た時は、負傷者を運び出せるほどの余裕もないし、なんせほぼ垂直の断崖絶壁をロープを使って下へ降りなければならない)
しかし、私は(おそらくこれを読んで下さる読者様も)日本人なわけで、日本人も戦災によるいかに悲惨な地獄の目に遭ったかを考えると、心臓が痛くなります。
(沖縄戦は、沖縄県民の4分の1が亡くなったという推計もあり、またこの映画の舞台の浦添村では住民の44.6%方が亡くなってしまったそうです。沖縄戦は一般住民が巻き込まれた悲惨な本土決戦でありました)
この映画の一つの魅力は、私達は両サイドの視点で戦争を見ることが出来ることだと思います。
主人公の信念
主人公のデズモンド・ドスは子供の時、喧嘩で兄を死なせそうになり、それ以降「生涯、武器には触らない」と誓います。(教会にも通っていたので、信仰上の理由もある)
第二次世界大戦が日に日に激化し、デズモンド・ドスの兄も周りの友人達も次々と出征していく中、自分も「国に尽くす(家族や恋人を守る)」為、陸軍に志願します。
しかし、子供の時に誓った「生涯、武器には触らない」の誓いは守り抜こうとする。
当然、大尉や軍曹から「戦争なのにどうやって敵と戦うんだ?」
と、質問されます。
彼らからすれば「兵士の士気」が落ちるだけでなく、「大尉、軍曹の命令を聞けない者は、実際の戦地でも信用できない。一緒に戦えない、除隊してくれ」と、なるわけです。
けれど、本人のデズモンド・ドスは、「自分も戦地に行って人命救助はできる。衛生兵になる権利はある」と引きません。
上官や兵士からの嫌がらせに遭いながらもドスは信念を貫こうとします。
結局、命令拒否として軍法会議にかけられることに。
そこへ、第一次世界大戦に参加した父(しかし、そのことで心に深い傷を負ってしまった)が、ある手紙を持って現れドスの主張は認められることとなる。
一人戦場に留まり負傷者を救出するドス
こうして衛生兵の一等兵になれたドス。
ここから日米の激戦が繰り広げられます。
日本軍は地の利を巧みに使い、何とか前田守陣地を死守しようと死闘を繰り広げますが、アメリカ軍は戦闘能力が圧倒的に上回っており猛烈に日本軍を攻めたてます。
肉弾戦の地獄絵。
当時の兵士はこの様は「ありったけの地獄を一つにまとめたようなもの」と表現したそうです。
そんな地獄の激戦の中でもドスは武器を持たず、また、隊が壊滅危機に遭い一時撤退命令が出ても、一人崖の上に残り負傷者を救助作業するのです(ロープで一人ずつ断崖絶壁から降ろしていく)
「隊が壊滅状態になって撤退する時って、負傷者は連れていって貰えないんだ・・・」っと、あらためて色んな人の立場を考えさせられました。
デズモンド・ドス勲章を受章される
第二次世界大戦中、武器を持たない衛生兵が認められるのは、なんともアメリカらしいですね(それでもやっとこさっとこだったけど)
その後、デズモンド・ドスはアメリカ軍人最高位の名誉勲章も受賞されたようです。
第二次世界大戦で衛生兵として活躍し、良心的兵役拒否者としては史上初めてアメリカ軍人最高位の名誉勲章(メダル・オブ・オナー)を受章した。
まとめ
どちら側にも、家族、友人、愛する人、生活があり、われわれ日本人には考えさせられる映画になっています。
そして、当時の浦添村の住民の44.6%が死亡していることを考えると、村の住民は戦争被害に遭い家族が亡くなり負傷したりと、生き地獄の思いをなさったことでしょう。
アメリカ軍、日本軍、浦添村の住民、戦災に遭われた方々を考えると心臓が痛みますが、映画としては最高傑作の一つであることは間違いありません。
スケール違いのド迫力、スピード感、臨場感、メル・ギブソンの作品が好きな方は、この映画、好きなはずです。
ぜひ、一度ご覧あれ!
↓DVDまたは、Blu-ray(ブルーレイ)をご購入をお考えの方は、どちらなのかお間違いないようにね。